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ある日、税務署から「仮想通貨の取引について確認したい」と連絡が来たら。考えるだけで落ち着かない、という方も多いはずです。
結論から言うと、仮想通貨は税務調査が増えている分野です。ただ、取引の記録をそろえて正しく申告していれば、慌てる必要はありません。
この記事を読めば、調査が来るきっかけと当日までの流れ、今からできる備えが分かります。
仮想通貨の税務調査は増えている
この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁の公表資料をもとにまとめています。
国税庁は、暗号資産取引について資料情報の収集・分析に努め、積極的に調査を実施すると明記しています。数字で見ると、その姿勢がよく分かります。
| 暗号資産取引をしている個人への実地調査 | 令和6事務年度 | 前の年 |
|---|---|---|
| 調査件数 | 613件 | 535件 |
| 1件あたりの申告漏れ所得 | 2,538万円 | 2,356万円 |
| 追徴税額の総額 | 46億円 | 35億円 |
1件あたりの追徴税額は745万円です。所得税の調査全体の299万円と比べて、2.5倍の金額でした。
仮想通貨の調査は件数も1件あたりの追徴額も増えています。調査で見つかってから直すと加算税が重くなるので、申告漏れに気付いたら事前通知の前に自分で直すのがいちばん負担の少ない方法です。
令和7事務年度の実績は、2026年10月時点ではまだ公表されていません。
調査が来るきっかけは?
『どうして自分のところに?』と思いますよね。税務署がどの人を調査するかの基準は公表されていません。ただ、税務署が情報を集める手段は法律で決まっています。
| 税務署の情報源 | 中身 |
|---|---|
| 取引の相手方への質問・検査 | 調査に必要なら、取引の相手方にも質問し、帳簿書類を確認できる |
| 事業者への報告の求め | 国税庁長官の承認を受けて、取引の場を提供する事業者などに、取引者の氏名・住所・マイナンバーなどの報告を求められる |
| 反面調査 | 申告内容を確かめるため、取引先など本人以外を調べることがある |
| 財産債務調書 | 所得と財産が一定以上の人が、年末の暗号資産を記載して出す書類 |
こうした情報と申告内容を見比べて、申告が無い、あるいは少なすぎると見られた人が調査の対象になりやすいと考えておきましょう。税務署が取引を知る仕組みは、仮想通貨の税金はバレるのかでくわしく紹介しています。
調査の流れと、何年分さかのぼるか
実地調査は、原則として事前に電話などで知らされます。準備の時間を置いて連絡するとされているので、まずは落ち着いて内容を確かめましょう。

- 事前通知(調査の日時・場所・税目・対象の年分・目的などの連絡)
- 日程の調整と書類の準備
- 調査(取引履歴や計算の根拠を確認される)
- 結果の説明(誤りがあれば内容と金額の説明)
- 修正申告などの勧め、または税務署による更正・決定
ただし、事前に知らせると正しい調査に支障が出ると判断された場合は、事前通知なしで調査が行われることもあります。
何年分さかのぼる?
税務署が税額を決め直せる期間は、原則として法定申告期限から5年です。偽りその他不正の行為で税を免れた場合は7年になります。
『昔の取引だから、もう関係ない』とは言い切れません。少なくとも5年分の記録は手元に残しておきましょう。
書類を出さないとどうなる?
正当な理由が無いのに帳簿書類の提示や提出を拒んだり、うその書類を出したりすると、罰則(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が科されることがあります。国税庁は、罰則を盾に強く迫ることは考えていないとしていますが、協力して進めるのが基本です。
調査で誤りが見つかったら
調査で誤りが見つかると、内容の説明があり、修正申告(申告していなければ期限後申告)を勧められるのが一般的です。応じるかどうかは本人の判断です。
応じない場合は、税務署が調査の結果にもとづいて税額を決めます。修正申告をすると不服申立てはできませんが、更正の請求はできる、という違いもあります。
- 申告額が少なかった場合の過少申告加算税は10%(一定額を超える部分は15%)
- 申告していなかった場合の無申告加算税は15%から30%
- 隠したり偽ったりした場合は重加算税(過少35%、無申告40%)
- 延滞税は日数に応じて別にかかる
自分から事前通知の前に直していれば、過少申告加算税はかからず、無申告加算税も5%で済みます。調査の前に動くかどうかで、負担がかなり変わるんです。くわしくは確定申告をしないとどうなるかで比べています。
今からできる備え
調査に強いのは、特別な対策より「説明できる記録」です。例えばこんな会話を想像してみてください。
「この年の売却の取得価額は、どう計算しましたか?」「総平均法で、年間取引報告書と計算書をもとに出しました。これが計算書です」
- 取引所ごとの年間取引報告書を年分ごとに保存している
- 海外取引所やウォレットの取引履歴を書き出して保存している
- 利益の計算書(国税庁のExcelなど)を残している
- 必要経費にした支出の根拠を説明できる
- 申告漏れに気付いたら、事前通知の前に修正申告をする
税理士に任せることもできる
税理士に税務代理を頼んでいれば、事前通知を税理士に送ってもらうこともできます。取引が多い、海外取引所やDeFiを使った、何年分も見直しが要るといった方は、早めに税理士に相談しておくと安心です。
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よくある質問
仮想通貨の税務調査はいきなり来ますか?
実地調査は、原則として事前に電話などで日時や対象の年分が知らされます。ただ、事前に知らせると正しい調査に支障が出ると判断された場合は、事前通知なしで行われることもあります。
税務調査は何年分さかのぼりますか?
税務署が税額を決め直せる期間は、原則として法定申告期限から5年です。偽りその他不正の行為で税を免れた場合は7年になります。
修正申告の勧めは断れますか?
応じるかどうかは本人の判断です。応じない場合は、税務署が調査結果にもとづいて税額を決める処分をします。
調査の連絡が来る前に申告漏れに気付いたらどうすればいいですか?
すぐに修正申告や期限後申告をしましょう。事前通知の前に自分から修正すれば過少申告加算税はかからず、期限後申告の無申告加算税も5%で済みます。
まとめ
- 仮想通貨の実地調査は令和6事務年度に613件、1件あたりの追徴税額は745万円
- 税務署は取引の相手方への質問や事業者への報告の求めで情報を集められる
- 調査は原則事前通知あり、さかのぼる期間は原則5年、不正があれば7年
- 誤りが見つかると修正申告を勧められ、加算税と延滞税がかかる
- 年間取引報告書と計算の根拠を残し、気付いたら事前通知の前に直す
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