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仮想通貨の利益が出てきて、『少しでも税金を減らす方法はないの?』と調べている方も多いはずです。
結論から言うと、仮想通貨の税金は、利確の時期や損益の出し方、経費と控除の使い方しだいで合法的に減らせる余地があります。一方で、申告しない・家族の名義に移すといった方法は、かえって負担が大きくなることも。
この記事を読めば、今日から使える合法的な節税の工夫と、避けるべき方法が分かります。
仮想通貨の税金はなぜ高くなりやすい?
この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁の公表資料をもとにまとめています。
仮想通貨(暗号資産)の利益は、現行では原則として雑所得です。給与などほかの所得と合算して税率が決まる総合課税なので、所得が増えるほど税率が上がります。
| 課税される所得 | 所得税の税率 |
|---|---|
| 195万円未満 | 5% |
| 195万円以上330万円未満 | 10% |
| 330万円以上695万円未満 | 20% |
| 695万円以上900万円未満 | 23% |
| 900万円以上1,800万円未満 | 33% |
| 1,800万円以上4,000万円未満 | 40% |
| 4,000万円以上 | 45% |
これに復興特別所得税と住民税10%が加わり、最大で約55%になります。さらに、雑所得の損失は給与と相殺できず、翌年への繰越もできません。
仮想通貨の節税は「税率の高い段階に入る所得を減らす」「課税される利益そのものを正しく小さくする」「控除を使う」の3つが軸です。税金の仕組みそのものは仮想通貨の税金の仕組みで確認できます。
合法的に税金を減らす7つの工夫
ここからが本題です。どれも国税庁の公表資料に沿った、合法的な方法ですよ。
| 工夫 | 効果が出やすい人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 利確の年を分ける | 1年に利益が集中しそうな人 | 値動きのリスクがある |
| 2. 同じ年のうちに損益をまとめる | 含み損の銘柄も持っている人 | 損失は翌年に繰り越せない |
| 3. 経費を漏れなく入れる | 手数料が多い人 | 直接必要な部分に限る |
| 4. 評価方法を見直す | 取引が多い人 | 変更は申請が必要 |
| 5. ふるさと納税などの控除を使う | 利益が出て住民税が増える人 | 確定申告で控除を申告する |
| 6. 期限内に正しく申告する | すべての人 | 遅れると加算税と延滞税 |
| 7. 制度の変化を知っておく | 長く持つ予定の人 | 分離課税の開始は未確定 |

1. 利確の年を分ける
所得税は累進なので、同じ利益でも1年に集中させるより、2年に分けたほうが税率の高い段階に入る部分が減ります。
前提はこうです。会社員で給与の課税所得が毎年400万円、仮想通貨の利益が600万円ある場合です。各種控除は2年とも同じとし、端数処理は考えない概算です。
| 利確のしかた | 増える所得税(復興特別所得税込み) |
|---|---|
| 1年で600万円を利確 | 約142万円 |
| 2年に分けて300万円ずつ利確 | 約123万円(2年の合計) |
所得税だけで約19万円の差になります。住民税は税率が一律10%なので、どちらでも約60万円で変わりません。
『じゃあ毎年少しずつ売るのが正解?』と思いますよね。ただ、売るのを翌年に回している間に値下がりすれば、税金より大きく損をすることも。税金だけで売る時期を決めないようにしておきましょう。
利確のしかたは仮想通貨を売却・利確した時の税金でくわしく説明しています。
2. 同じ年のうちに損益をまとめる
雑所得は、その年の収入から必要経費を引いて計算します。同じ年に、利益の出た銘柄と損の出た銘柄を売れば、仮想通貨全体の損益を差し引きした額が所得になります。
現行の総合課税では、雑所得の損失を翌年以後に繰り越すことはできません。損を確定させるなら、利益と同じ年のうちに行う必要があります。年をまたぐと相殺できなくなります。
例えばこんな場面です。今年ビットコインで100万円の利益、別の銘柄で40万円の含み損がある。年内にその銘柄を売れば、今年の所得は60万円になります。
3. 経費を漏れなく入れる
売却の時の手数料や、買った時の手数料(取得価額に含める)は、利益を計算する時に差し引けます。忘れていると、そのぶん税金を多く払うことになります。
- 売却の時の手数料
- 購入の時の手数料(取得価額に含める)
- 仮想通貨の取引に直接必要なパソコン代(1年以上使える一定額超のものは減価償却)
- 回線料のうち、仮想通貨の取引の分を明確に区分できる部分
ただ、経費にできるのは売却のために直接必要な支出と認められる部分だけです。生活と共用の物を丸ごと入れるのは避けましょう。
4. 評価方法を見直す
個人の取得価額の計算方法には、総平均法と移動平均法があります。届出をしなければ総平均法です。
どちらが有利かは、買った時期と値動きで変わります。どちらかがいつも得というわけではないんです。
変えたい時は、変えたい年の3月15日までに変更承認申請書を出します。原則として3年は続けて使う必要があります。
5. ふるさと納税などの控除を使う
仮想通貨の利益で所得が増えると、住民税の所得割が増え、ふるさと納税の住民税の特例分の上限(住民税所得割額の2割)も増えます。
確定申告をすると、ワンストップ特例は適用されません。仮想通貨の利益で確定申告をする方は、ふるさと納税の寄附金控除も確定申告で申告しておきましょう。
ふるさと納税や医療費控除の使い方は仮想通貨とふるさと納税・医療費控除で説明しています。
6. 期限内に正しく申告する
意外に見落とされるのが、加算税と延滞税です。申告が遅れたり少なすぎたりすると、本来の税金に上乗せで払うことになります。
調査の通知の前に自分で期限後申告をすれば無申告加算税は5%、自分で修正申告をすれば過少申告加算税はかかりません。正しく期限内に申告することが、いちばん確実な「余計な税金を減らす方法」です。
7. 制度の変化を知っておく
『仮想通貨の税率が下がるって聞いたけど?』という方もいますよね。令和8年度税制改正で、特定の暗号資産を国内の業者を通じて売った利益に、20%(所得税15%・住民税5%)の申告分離課税を導入することが法律で決まりました。
ただ、適用が始まる日は金融商品取引法の改正の施行日しだいで、まだ確定していません。2028年1月からが有力と見られていますが、2026年10月時点の見込みです。2026年分と2027年分の利益は、今までどおり総合課税です。
改正の中身は仮想通貨の分離課税20%はいつからでくわしく説明しています。
やってはいけない「節税」
ネットでは、節税のように見えて実は危ない方法も紹介されています。代表的なものをまとめました。
- 利確の年を分ける
- 同じ年の損益をまとめる
- 経費と控除を正しく入れる
- 期限内に申告する
- 申告しない、利益を少なく書く
- 円に換えず別の銘柄に交換し続ければ課税されないと考える
- 家族の名義に移して税金を分散させる
- 取得価額を実際より高く書く

仮想通貨同士の交換や、仮想通貨での買い物も課税の対象です。円に換えていないから税金がかからない、ということはありません。
『家族に渡せば税率の低い人の所得になる?』と考える方もいるはずです。実は、個人に贈与すると、渡した側がその時の時価で売ったのと同じように所得を計算します。受け取った側は、1年の贈与が110万円を超えると贈与税の対象です。
申告しない場合のペナルティは重く、隠したり偽ったりした場合は重加算税(無申告加算税に代えて40%など)の対象になります。税務署が仮想通貨の取引を把握する仕組みは仮想通貨の税務調査で説明しています。
法人化や海外移住は節税になる?
大きな利益が出ている方ほど、法人化や海外移住が気になりますよね。どちらも条件がそろえば負担が変わる可能性はありますが、手軽な方法ではありません。
| 方法 | 考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 法人化 | 法人税は資本金1億円以下の法人なら年800万円以下15%、超える部分23.2% | 法人の他の税金、維持費、個人の持ち分を移す時の課税がある |
| 海外移住 | 日本の非居住者になれば、日本では国内源泉所得だけが課税対象 | 住所の判定は生活の実態で決まり、出国前の利益は日本で課税 |
法人化は仮想通貨は法人化で節税できるか、海外移住は海外移住で仮想通貨の税金はどうなるかで、それぞれくわしく説明しています。
自分に合う節税策が分からない時は
利益の額や給与、家族の状況で、効く工夫は人それぞれです。『自分の場合はどれを優先すればいいの?』と迷う方も多いはずです。
- 今年の仮想通貨の損益を、銘柄ごとに今の時点で計算してみる
- 給与と合わせた課税所得が、税率のどの段階にあるかを確認する
- 含み損の銘柄、経費、使える控除を書き出す
- 年内に売るか、翌年に回すかを、値動きのリスクも含めて決める
利益が数百万円を超える方、取引所が複数ある方、法人化や海外移住まで考えている方は、税理士に相談して試算してもらうと判断しやすくなります。依頼の考え方は仮想通貨に強い税理士に頼むべき人で紹介しています。
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よくある質問
ビットコインの税金を安くする方法はありますか?
利確の年を分けて税率の高い段階に入る所得を減らす、同じ年のうちに損益をまとめる、手数料などの経費を漏れなく入れる、ふるさと納税などの控除を使う、といった合法的な方法があります。
仮想通貨の税率は下がりますか?
特定の暗号資産を国内の業者を通じて売った利益に20%の申告分離課税を導入することが法律で決まっています。ただ、適用開始日は未確定で、2028年1月からが有力という見込みです。それまでは総合課税です。
損失を翌年に繰り越して節税できますか?
現行の総合課税では、仮想通貨の雑所得の損失を翌年に繰り越すことはできません。利益と相殺したい場合は、同じ年のうちに損益を確定させる必要があります。
家族に仮想通貨を渡せば税金を減らせますか?
個人に贈与すると、渡した側がその時の時価で所得を計算します。受け取った側も、1年の贈与が110万円を超えると贈与税の対象になるため、節税にはなりにくい方法です。
税金対策で仮想通貨を寄附するとどうなりますか?
仮想通貨で寄附すると、寄附した時の時価が寄附金の額になり、時価と帳簿価額の差額は譲渡益として課税されます。寄附金控除の対象になるかは寄附先によって違います。
まとめ
- 仮想通貨の利益は総合課税で、所得が増えるほど税率が上がる
- 利確の年を分けると、税率の高い段階に入る部分を減らせる
- 損失は翌年に繰り越せないので、損益は同じ年のうちにまとめる
- 手数料などの経費と、ふるさと納税などの控除を漏れなく使う
- 申告しない、家族名義に移すといった方法はかえって負担が増える
- 分離課税20%は法律で決まったが、適用開始は未確定(2028年1月が有力という見込み)
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