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仮想通貨で利益が出たけれど、確定申告なんてしたことがない。何から手を付ければいいのか分からず、ずっと後回しにしている方も多いはずです。
結論から言うと、仮想通貨の確定申告は「申告が要るか確かめる」「書類をそろえる」「利益を計算する」「申告書を作る」「提出して納める」の5段階です。順番どおりに進めれば、初めてでも自分で終わらせられます。
この記事を読めば、自分がやるべきことと、つまずきやすい場面が先に分かります。
まず、自分に確定申告が必要か確かめよう
この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁の公表資料をもとにまとめています。
最初に決めるのは「そもそも申告が要るかどうか」です。ここを飛ばすと、要らない作業に時間を使ったり、逆に申告漏れになったりします。
仮想通貨の利益は、原則として「雑所得(給与や事業以外のその他の所得)」に分けられます。雑所得は給与などと合算して税率が決まる総合課税です。
会社員は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。給与のない主婦・学生・無職の方は、20万円ではなく「所得の合計が所得控除の合計を超えるか」で決まります。
ここでいう20万円は、売った金額ではなく「利益(所得)」の金額です。所得は、売却額などの収入から取得価額や手数料などの必要経費を引いたものです。
| あなたの立場 | 確定申告が必要になる目安 |
|---|---|
| 会社員(給与1か所・年末調整あり) | 給与以外の所得の合計が20万円を超える |
| 会社員(給与2か所以上) | 年末調整されなかった給与の収入と、給与以外の所得の合計が20万円を超える(例外あり) |
| 給与収入が2,000万円を超える人 | 金額にかかわらず必要 |
| 主婦・学生・無職など給与のない人 | 所得の合計が所得控除の合計を超え、税額が出る |
『利益が20万円以下なら、何もしなくていいんでしょ?』と思いますよね。
実は、ここが一番の落とし穴です。所得税の確定申告が要らなくても、住民税の申告は別に必要とされています。くわしくは仮想通貨の住民税の申告で説明しています。
自分がどれに当たるか迷ったら、確定申告が必要な人・不要な人の条件で、ケース別に確認してみてください。
申告が要るなら、あとは5つの手順で進める
申告が要ると分かったら、あとは手順どおりに進めるだけです。全体像を先に見ておくと、途中で迷いにくくなります。

- 申告が必要かを確かめる
- 年間取引報告書などの書類を集める
- 銘柄ごとに1年間の利益を計算する
- 確定申告書等作成コーナーで申告書を作る
- e-Taxか郵送で提出し、期限までに税金を納める
このうち時間がかかるのは、3番目の利益の計算です。取引所が1か所で、売買の回数も少なければ、それほど時間はかかりません。
一方で、取引所を何か所も使っていたり、仮想通貨同士の交換を何度もしていたりすると、計算だけで何日もかかることも。
『じゃあ、いつから始めればいいの?』という方は、年が明けて年間取引報告書がそろったら、すぐに手を付けておきましょう。期限の考え方は確定申告はいつからいつまでかにまとめています。
仮想通貨の利益は、1月1日から12月31日までの1年分でまとめて計算します。売却などの収入は、原則として引渡しがあった日の年分になります。
手順1・2:そろえる書類と準備するもの
手順2では、利益の計算と申告書づくりに使う資料を集めます。ポイントは、使った取引所やウォレットをすべて洗い出すことです。
国税庁は、国内の暗号資産交換業者に対して、平成30年1月1日以後の取引について「年間取引報告書」の交付を依頼しています。手元に無ければ、取引所に交付や再交付を頼めます。
| 準備するもの | 何に使うか | どこで手に入るか |
|---|---|---|
| 年間取引報告書 | 1年間の購入・売却の数量と金額、手数料を確認する | 国内の各取引所の会員ページなど |
| 暗号資産の計算書(Excel) | 年間取引報告書の数字から利益を計算する | 国税庁のホームページ |
| 海外取引所・ウォレットの取引履歴 | 年間取引報告書が無い取引を自分で計算する | 各サービスの履歴、銀行口座の入出金 |
| 給与の源泉徴収票 | 給与の金額と源泉徴収された税額を入力する | 勤務先 |
| マイナンバーカードなど | 本人確認、e-Taxでの送信 | 手元 |
| 控除の証明書 | ふるさと納税や医療費などの控除を受ける | 寄附先や医療機関の領収書など |
年間取引報告書には、年始と年末の数量、1年間の購入数量と金額、売却数量と金額、手数料などが載っています。外貨の取引は、仲値(TTM)で円に換算した金額です。
ただ、海外取引所や個人間の取引には年間取引報告書がありません。この場合は、取引履歴や銀行口座の入出金、相場をもとに自分で計算します。
なお、当サイトはどの取引所の公式サイトでもなく、提携もしていません。各社の報告書の出し方は、それぞれの会員ページで確認してみてください。
書類ごとの見方や、取引所別の注意点は確定申告に必要な書類でくわしく紹介しています。
- 使った国内取引所をすべて書き出す
- 取引所ごとに年間取引報告書を手に入れる
- 海外取引所やウォレットの取引履歴を保存する
- 源泉徴収票と控除の証明書をそろえる
手順3:1年間の利益(所得)を計算する
ここが確定申告の山場です。仮想通貨の利益は、次の式で出します。
利益(所得)= 売却額などの収入 − 売った分の取得価額(譲渡原価)− 売却手数料などの必要経費
譲渡原価は、売った分の仮想通貨をいくらで手に入れたかという金額です。銘柄ごとに、「総平均法」か「移動平均法」で1単位あたりの取得価額を出して計算します。
個人の場合、評価方法の届出を出していなければ総平均法になります。総平均法は、1年間に買った分をまとめて平均する方法です。違いは総平均法と移動平均法の違いで説明しています。
例えばこんな計算になります
前提はこうです。年初にビットコインを持っておらず、1年の間に0.1BTCを50万円、さらに0.1BTCを70万円で買い、そのうち0.1BTCを90万円で売ったとします。手数料は考えません。
総平均法では、買った合計120万円を合計0.2BTCで割り、1BTCあたり600万円が平均の取得価額になります。売った0.1BTC分の取得価額は60万円です。
ですから、この年の利益は90万円から60万円を引いた30万円になります。会社員なら20万円を超えるので、確定申告が必要です。
国税庁は、年間取引報告書の数字を入れるだけで利益を計算できる「暗号資産の計算書」を、総平均法用と移動平均法用の2種類用意しています。配布ページは国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」です。
計算の考え方をもっと細かく知りたい方は、仮想通貨の税金の計算方法も参考にしてみてください。
円に換えていなくても利益になる取引
『円に換えていないから、まだ利益じゃないはず』と考える方もいるかもしれません。ただ、次の取引も課税の対象です。
| 取引 | 扱い |
|---|---|
| 仮想通貨を売って円に換えた | 売却額と取得価額の差が所得 |
| 仮想通貨で買い物をした | 持っていた仮想通貨を譲渡したことになり、課税 |
| 仮想通貨同士を交換した | 手放した側の仮想通貨の譲渡として課税 |
| ステーキング・レンディングなどで受け取った | 受け取った時の時価が収入になる |
| レバレッジ取引(証拠金取引) | FXと違い申告分離課税の対象外で、総合課税 |
取得価額が分からない時
昔の取引履歴が見つからず、取得価額が分からないこともあるはずです。まずは銀行口座の入出金や取引履歴、取引所が公表している相場で確かめます。
それでも分からない場合は、売った金額の5%を取得価額とすることも認められています。例えば500万円で売ったなら、取得価額は25万円です。ただ、実際より利益が大きくなりやすい点は知っておきましょう。
手順4:確定申告書を作る(入力方法と記入のポイント)
利益が出たら、いよいよ申告書づくりです。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の案内に沿って数字を入れるだけで申告書ができます。
仮想通貨の利益は、雑所得のうち「その他」の所得として入力します。入れる数字は、主に次の3つです。
| 入力する項目 | 何の数字か |
|---|---|
| 収入金額 | 1年間の売却額や、交換・決済した時の金額などの合計 |
| 必要経費 | 売った分の取得価額(譲渡原価)や売却手数料など |
| 所得金額 | 収入金額から必要経費を引いた利益 |
会社員なら、源泉徴収票の給与の金額と源泉徴収された税額もあわせて入れます。そうすると、給与と仮想通貨の利益を合算した税額が計算されます。
レバレッジ取引の損益も、雑所得として総合課税で申告します。株やFXのように別枠で計算するわけではありません。くわしくは仮想通貨FX・レバレッジ取引の税金で説明しています。
『白色申告で出せばいいの?』と迷う方もいますよね。青色申告の承認を受けていない人の申告が、いわゆる白色申告です。雑所得として申告するなら、特別な届出は要りません。
ただ、その年の仮想通貨の収入金額が300万円を超え、帳簿を付けて保存している場合は、原則として事業所得になります。この場合は扱いが変わるので、早めに税務署か税理士に確認しておくと安心です。
e-Taxで送るか、印刷して出すか
できあがった申告書は、e-Taxで送信するか、印刷して税務署へ郵送などで出します。どちらでも申告としての効力は同じです。
- 自宅から送れて、税務署に行かなくて済む
- 入力から送信までを作成コーナーの中で終えられる
- 印刷と郵送の手間がかかる
- 控えの保管を自分で管理する
e-Taxの具体的な流れや入力画面での注意点は、e-Taxで確定申告する方法にまとめています。
自分で計算するのが難しい人もいます
取引所を何か所も使っている、海外取引所やDeFiで取引した、利益が数百万円以上ある。こういう方は、計算ミスが大きな追徴につながりやすいです。
計算に何日もかかりそう、数字に自信が持てないという方は、仮想通貨の申告に慣れた税理士に任せるのも一つの方法です。
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取引が多い、計算が合っているか不安という時は、税理士に任せるのが確実です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から条件に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
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手順5:期限までに提出して税金を納める
所得税の確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。申告と納付の期限は、どちらも原則3月15日です。
例えば2025年分(令和7年分)は、期限が土日にかかったため2026年3月16日(月)まででした。2026年分は、原則どおりなら2027年3月15日(月)が期限の見込みです。
税金の納め方は、振替納税やダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード、スマホアプリ、コンビニ、現金などから選べます。税務署から納付書が送られてくるわけではないので、自分で手続きしておきましょう。くわしくは税金の納付方法と期限で説明しています。

遅れたり、申告しなかったりするとどうなる?
期限を過ぎてから出す申告を「期限後申告」といいます。遅れると、無申告加算税と延滞税という追加の税金がかかることがあります。
| 状況 | 無申告加算税の割合 |
|---|---|
| 税務調査の事前通知の前に、自分から期限後申告 | 5% |
| 事前通知の後、調査を受ける前に申告 | 50万円まで10%、50万円超300万円まで15%、300万円超25% |
| 調査を受けた後に申告、または税務署が決定 | 50万円まで15%、50万円超300万円まで20%、300万円超30% |
期限から1か月以内に自分から申告し、税金を期限までに全額納めているなど一定の要件を満たせば、無申告加算税がかからない場合もあります。
延滞税は、本来の期限(法定納期限)の翌日から納めた日までの日数に応じてかかります。2026年は、2か月以内なら年2.8%、2か月を過ぎると年9.1%です。
国税庁の発表では、暗号資産取引をしている個人への実地調査は令和6事務年度に613件。1件あたりの追徴税額は745万円で、所得税の調査全体の2.5倍でした。
遅れていると気付いたら、調査の連絡が来る前に自分から申告しておくのが一番です。くわしくは確定申告をしないとどうなるかで解説しています。
申告した後で税金が少なすぎたと分かったら「修正申告」、多すぎたなら「更正の請求」をします。更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内です。
初めての確定申告でつまずきやすいポイント
最後に、初めての方がよく迷うところをまとめておきます。ここを押さえておくと、申告漏れや二度手間を防げます。
- 20万円は売却額ではなく利益の金額
- 20万円以下でも住民税の申告は必要
- 仮想通貨同士の交換や買い物も課税される
- 仮想通貨の損失は給与と相殺できず、翌年への繰越もない
損をした年はどうなる?
『損したなら、給与の税金が戻ってくるのでは?』と期待する方もいますよね。
残念ながら、雑所得の損失は給与所得など他の所得から差し引けません。損失を翌年以降に繰り越す制度も、今のルールにはありません。損をした年の扱いは仮想通貨で損した時の税金を見てみてください。
ふるさと納税をしている人
ふるさと納税のワンストップ特例を申請していても、確定申告をすると特例は使えなくなります。仮想通貨の申告をする方は、ふるさと納税の寄附金控除も確定申告で一緒に入れておきましょう。
くわしくはふるさと納税・医療費控除の使い方で紹介しています。
「税率20%になる」という話は?
仮想通貨の利益を20%の申告分離課税にする法律は、すでに成立しています。ただ、適用が始まる日は金融商品取引法の改正の施行日しだいで、まだ決まっていません。
2028年1月からが有力という見方はあるものの、これは2026年10月時点の見込みです。2026年分の利益は、今までどおり総合課税で申告します。最新の状況は分離課税20%はいつからかで追いかけています。
税率や仕組みの全体像を先に押さえたい方は、仮想通貨の税金の全体像から読んでみてください。
よくある質問
仮想通貨の確定申告を簡単に済ませる方法はありますか?
国内の取引所だけを使っているなら、年間取引報告書の数字を国税庁の計算書に入れる方法が手軽です。計算した利益を確定申告書等作成コーナーに入力し、e-Taxで送れば税務署に行かずに終わります。
取引所が複数ある場合はどう申告しますか?
取引所ごとの年間取引報告書を集め、同じ銘柄は合算して1年間の利益を計算します。申告書には、すべての取引所の分を合計した雑所得として入力します。
年間取引報告書は申告書と一緒に提出しますか?
年間取引報告書や計算書は、利益を計算するための資料です。添付の要否で迷う場合は、提出先の税務署に確認しておきましょう。いずれにしても、計算の根拠として手元に保管しておくと安心です。
利益が出ていない年も申告が必要ですか?
1年間の仮想通貨の取引で利益が出ていなければ、仮想通貨の分で税金はかかりません。ただ、他の所得や控除の関係で申告が必要になることもあるので、条件は確定申告が必要な人の記事で確かめてみてください。
確定申告の期限に間に合わなかったらどうすればいいですか?
できるだけ早く期限後申告をしましょう。税務調査の事前通知の前に自分から申告すれば、無申告加算税は5%で済みます。期限から1か月以内などの要件を満たせば、かからない場合もあります。
取引の数が多い、海外取引所を使っていた、利益が大きいなど、自分での申告に不安がある方は、税理士に相談しておくと安心です。
税理士ドットコム
仮想通貨の申告に強い税理士を無料で探す
取引が多い、計算が合っているか不安という時は、税理士に任せるのが確実です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から条件に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
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まとめ
- 会社員は給与以外の所得が20万円を超えたら確定申告が必要
- 給与のない人は20万円ではなく、所得と所得控除の関係で決まる
- 手順は、確認、書類集め、利益の計算、申告書づくり、提出と納付の5つ
- 利益は銘柄ごとに、届出が無ければ総平均法で計算する
- 期限は原則3月15日。遅れたら調査の連絡前に自分から申告する
- 分離課税20%は適用開始日が未定で、2026年分は総合課税
税理士に任せるか迷っている方は、仮想通貨に強い税理士に頼むべき人もあわせて読んでみてください。




