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仮想通貨をそれなりに持っているけれど、家族は何も知らない。『もし自分に何かあったら、どうなるんだろう』とふと考えることはありませんか。
結論から言うと、仮想通貨の相続対策で一番大事なのは「家族が存在に気付けて、たどり着ける状態にしておくこと」です。そのうえで、取引記録と税金の見通しを整えておくと安心です。
この記事を読めば、今日からできる生前の準備が順番に分かります。
仮想通貨こそ生前の相続対策が必要な理由
この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁の公表資料をもとにまとめています。
預金なら通帳や郵便物で家族が気付けます。でも仮想通貨は、スマホやパソコンの中だけにあることが多いですよね。
しかも、気付かれないままでも税金の扱いは変わりません。国会答弁では、相続人がパスワードを知らなくても、故人の仮想通貨を受け継いだものとして相続税の課税対象になるという解釈が示されています。
家族が知らない仮想通貨も、相続税の計算には入ります。見つけられない、引き出せない、でも税金はかかる。この状態を防ぐのが生前対策の目的です。
パスワードが分からない時に家族がどうなるかは、故人の仮想通貨のパスワードが分からない時の相続で詳しく紹介しています。

家族に残しておきたい情報
『全部書き出すのは面倒だし、パスワードを書くのは怖い』と感じますよね。そこで、まずは「どこに何があるか」だけでも残しておくのがおすすめです。
| 残しておきたいこと | 書き方の例 |
|---|---|
| 使っている取引所の名前 | 取引所の名前と、登録しているメールアドレス |
| ウォレットの有無 | 取引所以外のウォレットを使っているか、どの端末か |
| ログイン情報の保管場所 | パスワードそのものではなく、どこに保管しているか |
| 持っている銘柄のおおよそ | 主な銘柄の名前 |
| 確定申告の控え | どこに保管しているか |
秘密鍵(ウォレットを動かすための暗号のようなもの)やパスワードは、知られると第三者に動かされるおそれがあります。保管の場所と、家族がどう受け取るかは慎重に決めておきましょう。
メモは一度書いて終わりにせず、取引所を増やした時や銘柄を入れ替えた時に書き直しておきましょう。古い情報のままだと、家族が使っていない取引所を探し回ることにもなりかねません。
例えば、家族とこんな会話をしておくだけでも違います。
「スマホの中に仮想通貨があるからね。詳しいメモは書斎の金庫に入れてあるよ」
「分かった。何かあったら、そこを見ればいいんだね」
取引記録を整えておく
相続で受け取った仮想通貨の取得価額(買った値段にあたる金額)は、故人のものを引き継ぎます。家族が後で売る時、故人の買値をもとに損益を計算することになるんです。
つまり、記録が残っていないと家族が困ります。今のうちに整えておきたいのは次のものです。
- 取引所から届く年間取引報告書を保存しておく
- 取引所以外のウォレットや海外取引所の取引履歴を書き出しておく
- 選んでいる評価方法(総平均法か移動平均法か)をメモしておく
- 毎年の確定申告書の控えをまとめておく
評価方法は、税務署に届出をしていなければ総平均法です。家族が計算し直す時に迷わないよう、どちらで申告してきたかを残しておくと助かります。
年間取引報告書は、国税庁が国内の取引所に交付を依頼している書類です。一方で、海外取引所や取引所以外のウォレットには年間取引報告書がありません。自分で記録しておく意味が大きいところです。
生前贈与で家族に渡す時の注意点
相続対策として、元気なうちに家族へ仮想通貨を渡す方法もあります。ただ、仮想通貨ならではの注意点があります。
| 気を付けたいこと | 内容 |
|---|---|
| もらう側の贈与税 | 1年間の合計が110万円を超えると贈与税がかかる |
| 渡す側の所得税 | 渡した時の時価で手放したものとして計算する |
| 相続財産への足し戻し | 亡くなる前の一定期間の贈与は相続財産に加える。期間は3年から段階的に7年へ延びる |
| 相続時精算課税 | 選ぶと累計2,500万円まで特別控除があるが、一度選ぶと元に戻せない |
『110万円以内で毎年渡せば、相続税はゼロにできる』と考える方もいるはずです。ただ、足し戻しの期間がありますし、値上がりした仮想通貨を渡すと自分に所得税がかかります。
贈与税の計算例や、渡す側の税金の目安は仮想通貨の贈与税で確認できます。
相続税がかかるかの目安をつかんでおく
相続税は、遺産の合計が基礎控除を超える時にかかります。
- 仮想通貨を今の取引価格で金額にしてみる
- 預金や不動産などほかの財産と合計する
- 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比べる
例えば法定相続人が2人なら、基礎控除は3,000万円+600万円×2=4,200万円です。
仮想通貨は値動きが大きく、亡くなった日の価格で評価されます。今は基礎控除を下回っていても、値上がりで超えることもあるので、年に1回は見直しておきましょう。評価のルールは仮想通貨の相続税評価にまとめています。
相続税の申告は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。故人の所得税の準確定申告は4か月以内です。準備がないと、家族は短い期間で資産探しから始めることになります。
仮想通貨の金額が大きい方、生前贈与と相続のどちらがよいか迷っている方は、相続に詳しい税理士に一度試算してもらうと方針を決めやすくなります。
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相続全体の流れは仮想通貨の相続、税金の基本は仮想通貨の税金とはで確認できます。
よくある質問
仮想通貨の相続対策で最初にやることは何ですか?
家族が仮想通貨の存在に気付けるようにしておくことです。使っている取引所の名前や、情報の保管場所を残しておくところから始めてみてください。
パスワードを家族に教えないと相続税はかかりませんか?
国会答弁で、相続人がパスワードを知らなくても相続税の課税対象になるという解釈が示されています。引き出せないのに税金だけかかる事態を避けるためにも準備が大切です。
生前贈与をすれば相続税は減りますか?
減らせる場合もありますが、亡くなる前の一定期間の贈与は相続財産に足し戻されます。値上がりした仮想通貨を渡すと、渡す側に所得税がかかる点にも注意が必要です。
家族に残すメモには、パスワードも書いておくべきですか?
パスワードそのものを書くと、第三者に知られた時に仮想通貨を動かされるおそれがあります。まずは取引所の名前と、ログイン情報をどこに保管しているかを残しておき、受け渡し方は家族と相談して決めてみてください。
まとめ
- 仮想通貨は家族が気付きにくいので、存在と保管場所を残しておく
- パスワードを知らなくても相続税の対象になるという国会答弁がある
- 取得価額は家族に引き継がれるので、取引記録を整えておく
- 生前贈与は贈与税・渡す側の所得税・足し戻しをあわせて考える




