仮想通貨の相続がマイナスの時|含み損・借金と相続放棄

仮想通貨の相続がマイナスの時

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故人が持っていた仮想通貨が、買った時より大きく値下がりしている。あるいは、借金まで残っていた。『マイナスの遺産まで背負うことになるの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、値下がりしているだけなら「亡くなった日の値段」で相続税を考えます。借金のほうが多い時は、3か月以内に相続放棄や限定承認を選ぶことができます。

この記事を読めば、含み損の仮想通貨と借金がある時に、相続人が何を判断すればいいかが分かります。

目次

「仮想通貨の相続がマイナス」には2つの意味がある

この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁や裁判所の公表資料をもとにまとめています。

「マイナス」と一口に言っても、中身は2種類あります。ここを分けて考えるのが大事なところです。

マイナスの種類よくある場面考えること
含み損故人が高値で買った仮想通貨が値下がりしている相続税の評価と、売った時の損失の扱い
遺産全体のマイナス仮想通貨より借金のほうが多い相続放棄・限定承認を選ぶかどうか

含み損があっても、遺産全体ではプラスということはよくあります。逆に、仮想通貨は値上がりしていても借金が大きい場合も。まずは財産と借金の全体をつかんでみてください。

含み損と遺産全体のマイナスの違いと選べる対応を示した図解

含み損がある仮想通貨の相続税はどう決まる?

相続税では、仮想通貨を亡くなった日の取引価格で評価します。国税庁のFAQでは、相続人が取引している取引所が公表する、その日の取引価格を使うとされています。

『買った値段より下がっているのに、税金がかかるの?』と思いますよね。実は、相続税で見るのは「いくらで買ったか」ではなく「亡くなった日にいくらだったか」なんです。

先に結論

含み損があっても、亡くなった日の値段がそのまま遺産の額になります。値下がりしていれば、その分だけ遺産の額は小さくなります。

販売所で買値と売値が出ている場合は、売値で評価してよいとされています。取引所が出す残高証明書の価格も使えます。

亡くなった後にさらに値下がりしても、相続税の評価は亡くなった日の価格のままです。評価の細かいルールは仮想通貨の相続税評価で確認できます。

相続人が売った時の含み損はどうなる?

相続で受け取った仮想通貨の取得価額(買った値段にあたる金額)は、故人のものを引き継ぎます。国税庁のFAQでは、故人が選んでいた方法で評価した金額を引き継ぐとされています。

つまり、相続人が売った時に、故人の買値を基準に損益を計算することになります。

次の前提で見てみましょう。故人が300万円で買ったビットコインを相続し、相続人が100万円で売った場合です(手数料は考えない概算)。

売った時の損益の目安
  1. 売った金額 100万円
  2. 引き継いだ取得価額 300万円
  3. 100万円−300万円=マイナス200万円の損失

この損失は、相続人のその年の仮想通貨の取引の利益と合わせて計算できます。例えば同じ年に別の仮想通貨で150万円の利益が出ていれば、合計した損益で考えることになります。

給与とは相殺できない

仮想通貨の損失は雑所得の損失なので、給与など他の所得からは差し引けません。現行のルールでは、翌年以後に繰り越すこともできません。

借金のほうが多い時は相続放棄・限定承認

故人に借金があり、仮想通貨など財産のほうが少ない。こうした場面では、相続の受け継ぎ方を選べます。

選び方内容手続き
単純承認財産も借金もすべて受け継ぐ家庭裁判所の手続きは不要
相続放棄財産も借金も一切受け継がない家庭裁判所に申述(相続人ごと)
限定承認受け継いだ財産の範囲で借金を払う家庭裁判所に申述(相続人全員で共同)

期限は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内です。申述先は、故人の最後の住所地の家庭裁判所になります。

『仮想通貨だけ放棄して、預金はもらいたい』と考える方もいるはずです。ただ、相続放棄は権利も義務も一切受け継がない手続きなので、財産を選んで放棄する形にはなりません。

例えば、家族の間でこんな会話になることがあります。

「借金はありそうだけど、仮想通貨が値上がりすれば返せるかもしれない」
「財産がどれだけ残るか分からないなら、限定承認という選び方もあるよ」

限定承認は、借金がどのくらいあるか分からず、財産が残る可能性もある時のための制度です。相続人全員がそろって申述する必要があるので、家族で早めに話し合っておきましょう。

3か月で判断できない時

3か月以内に調べても判断する材料がそろわない場合、家庭裁判所に期間を延ばしてもらう申立てができます。取引所やウォレットの中身がつかめない時は、早めに検討してみてください。

故人が破産状態だった時の考え方

「仮想通貨で大きく損をして、借金が返せない状態だった」というケースもあります。この場合も、相続人が考えることは同じです。

財産と借金を比べて、単純承認・相続放棄・限定承認のどれにするかを3か月以内に決めます。仮想通貨の値段は日々動くので、残高と価格を記録しておくと判断しやすくなります。

判断の前に確認したいこと
  • 取引所ごとの残高と、亡くなった日の価格
  • ウォレットに残っている仮想通貨
  • 借入れやカードの未払いなどの借金
  • 故人の準確定申告が必要かどうか

なお、取引所そのものが破綻した場合に預けていた仮想通貨がどう扱われるかは、国税庁や裁判所の資料で確認できていません。該当する時は、取引所の案内と専門家に確かめてみてください。

借金があって放棄するか迷っている方、含み損の仮想通貨を含めて相続税がかかるか分からない方は、相続に詳しい税理士に早めに相談しておくと判断が楽になります。

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よくある質問

含み損がある仮想通貨にも相続税はかかりますか?

相続財産なので対象になります。評価額は買値ではなく、亡くなった日の取引価格です。値下がりしていれば、その分だけ評価額は小さくなります。

相続した仮想通貨を売って出た損失は、給与と相殺できますか?

できません。仮想通貨の損失は雑所得の損失なので、給与など他の所得からは差し引けません。翌年への繰越もできません。

仮想通貨だけ相続放棄することはできますか?

相続放棄は財産も借金も一切受け継がない手続きです。仮想通貨だけを選んで放棄する形にはなりません。

相続放棄の期限はいつまでですか?

自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内です。判断材料がそろわない時は、家庭裁判所に期間を延ばす申立てができます。

まとめ

この記事の要点
  • 含み損でも相続税は亡くなった日の取引価格で評価する
  • 相続人が売る時は故人の取得価額を引き継いで損益を計算する
  • 仮想通貨の損失は給与と相殺できず、繰越もできない
  • 借金のほうが多い時は3か月以内に相続放棄か限定承認を選べる
仮想通貨の税金ナビ

仮想通貨の税金ナビ 編集部

仮想通貨(暗号資産)の税金・確定申告・相続について、国税庁などの公表資料をもとに分かりやすく整理している情報サイトです。 公式サイト

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