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ビットコインが値上がりして、そろそろ利確したい。でも売った瞬間にどれだけ税金がかかるのか分からず、手が止まっている方も多いはずです。
結論から言うと、仮想通貨を売却して出た利益には税金がかかり、税率は給与などと合わせた所得によって約15%から約55%です。少しずつ売っても同じ年の中なら税金は変わりませんが、年をまたいで分けると下がることがあります。
この記事を読めば、売却益の計算のしかたと、売り方による税金の違いが分かります。
仮想通貨を売却したら税金はかかる?
2026年10月時点の法令・国税庁の公表資料をもとにまとめています。
仮想通貨(暗号資産)を売って円に換えると、その時点で利益が確定し、税金の対象になります。利益とは、売った金額から買った時の金額(取得価額)や手数料を引いた残りのことです。
『売っただけで税金がかかるの?』と思うかもしれません。実は、税金がかかるのは「売った金額」ではなく「もうけた分」だけなんです。
| 取引 | 税金 | ポイント |
|---|---|---|
| 円で買って持っているだけ | かからない | 含み益のままなら課税なし |
| 売却して円に換える | かかる | 売った額と取得価額の差が利益 |
| 別の仮想通貨と交換する | かかる | 手放した通貨を売ったのと同じ扱い |
| 仮想通貨で買い物をする | かかる | 支払った通貨を売ったのと同じ扱い |
| 売却して損が出た | かからない | 同じ年の他の利益と差し引きできる |
円に換えていなくても、交換や買い物で手放した時は売却と同じ扱いになります。くわしくは 仮想通貨同士の交換にかかる税金 と 仮想通貨で買い物・決済した時の税金 で解説しています。
- 税金がかかるのは売却益(もうけ)の部分だけ
- 1月1日から12月31日までの1年分をまとめて計算する
- 円に換えなくても、交換や買い物で手放せば課税される
税金の全体像は 仮想通貨の税金とは?仕組みと全体像 で確認できます。
売却益の税率は?利確した利益にかかる税金
仮想通貨の売却益は、原則として「雑所得」です。雑所得は給与などほかの所得と合計して税率を決める総合課税なので、人によって税率が変わります。
かかる税金は所得税・復興特別所得税・住民税の3つです。
| 税金 | 税率 |
|---|---|
| 所得税 | 課税所得に応じて5%から45%の7段階 |
| 復興特別所得税 | 所得税額の2.1%(2026年分まで) |
| 住民税(所得割) | 一律10% |
| 合計の目安 | 約15%から約55%(最大は約55.945%) |
課税所得とは、所得から基礎控除などの各種控除を引いた残りのことです。2027年分からは復興特別所得税が1.1%に下がり、防衛特別所得税1%が加わりますが、合計の2.1%は同じです。
『株みたいに一律20%じゃないの?』という声もよく聞きます。令和8年度税制改正で20%の申告分離課税にすることは法律で決まりました。ただ、適用開始日は金商法改正の施行日しだいで、まだ確定していません。
2028年1月からが有力という見方がありますが、あくまで見込みです(2026年10月時点)。2026年分の売却益は、今までどおり総合課税で計算します。改正の中身は 仮想通貨の分離課税20%はいつから? にまとめています。
利益50万円・100万円・500万円などでいくら税金がかかるかは、利益別の税金早見表 で確認してみてください。
売却益の計算方法と、売り買いを繰り返した時の考え方
売却益は「売った金額から、売った分の取得価額と手数料を引いた額」です。国税庁のFAQには、次の計算例が載っています。
前提:4BTCを400万円で購入し、そのうち0.2BTCを21万円で売却。手数料は考えない(国税庁FAQ 1-1の例)。
- 1BTCあたりの取得価額を出す:400万円÷4BTC=100万円
- 売った分の取得価額を出す:100万円×0.2BTC=20万円
- 売却益を出す:21万円から20万円を引いて1万円
ポイントは、売った数量の分だけ取得価額を差し引くことです。持っている全部の買値を引くわけではありません。
デイトレ・短期取引も1年分を合計する
デイトレードのように売り買いを何度も繰り返すと、1回ごとの損益を出すのは大変ですよね。
仮想通貨の利益は、銘柄ごとに1年分をまとめて計算します。何度も買っていれば、平均の単価を出して取得価額にします。この平均の出し方が「総平均法」と「移動平均法」で、個人は届出をしなければ総平均法です。
同じ年の中で、ある取引で利益、別の取引で損が出たら、差し引きした額がその年の所得です。違いは 総平均法と移動平均法の違い で詳しく解説しています。
- 購入時の手数料は取得価額に含める
- 売却時の手数料は必要経費として引ける
- 取引所が複数あっても、同じ銘柄はまとめて計算する
- 交換や買い物で手放した分も、売却と同じく計算に入れる

少しずつ利確・原資抜きの税金はどうなる?
『一度に売ると税率が上がるから、少しずつ売った方が得なのでは?』と考える方は多いですよね。ここが大事なところです。
結論から言うと、同じ年の中で何回に分けて売っても、税金は変わりません。 1年分の利益をまとめて計算するので、1回で600万円売っても、10回に分けても、利益の合計が同じなら税額は同じです。
年をまたいで分けると税金が下がることがある
一方、利確を2年に分けると、1年あたりの所得が小さくなります。総合課税は所得が多いほど上の段の税率がかかるので、合計の税金が少なくなることがあるんです。
前提:給与の課税所得が400万円の会社員。利益は2年とも同じ時価で売れたものとし、各種控除は変わらないとする。住民税は利益×10%で単純化した概算(Pythonで検算)。
| 利確のしかた | 増える税金の目安 |
|---|---|
| 1年で600万円を利確 | 約202.1万円 |
| 2年に分けて300万円ずつ利確 | 約91.4万円×2年=約182.8万円 |
| 差 | 約19.2万円 |
給与のない人で同じように計算すると、1年で600万円なら約138.9万円、2年に分ければ約101.4万円で、差は約37.5万円です(基礎控除などは考えない概算)。
ただし、これは翌年も同じ値段で売れた場合の話です。売るのを待つ間に値下がりすれば、税金が減っても手元に残るお金が減ることも。税金だけで売る時期を決めるのはおすすめしません。
- 同じ年に何回売っても、1年分の合計で課税される
- 年をまたぐと税金が下がることがあるが、値動きのリスクがある
- 12月末の売却は、原則として引き渡しの日の年分になる(選択で契約日の年分も可)
- 20%の分離課税の適用開始を待つ場合も、開始日はまだ決まっていない
年の区切りと年末の売却は 仮想通貨の税金の期間と年またぎ で詳しく見られます。
会社員が20万円以下ずつ利確する場合
会社員なら、給与以外の所得が年20万円以下だと所得税の確定申告は要りません。20万円は売却額ではなく、利益の額です。
ただし、住民税の申告は別に必要です。住民税には20万円以下で申告不要になるルールがないためで、詳しくは 仮想通貨の住民税 で解説しています。
原資抜きにも税金はかかる
値上がりした時に、最初に入れた元手(原資)の分だけ売って取り戻す。これを「原資抜き」と呼びますよね。
『元手を戻しただけだから、税金はかからないはず』と思いがちですが、実はかかります。売った分の中にも利益が含まれているからです。
前提:10枚を100万円(1枚10万円)で購入し、1枚20万円に値上がりした時に5枚を100万円で売却。手数料は考えない。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売った金額 | 100万円 |
| 売った5枚の取得価額 | 10万円×5枚=50万円 |
| 売却益 | 50万円 |
元手の100万円を取り戻したつもりでも、税金の上では50万円の利益です。給与の課税所得が400万円の会社員なら、増える税金は約15.2万円が目安です(各種控除は変わらないものとした概算)。
「残りの5枚はタダで持っている感覚なんだけど」
「残りの5枚の取得価額は50万円のままです。次に売る時はそこから利益を計算します」
原資抜きをした年は、税金の分も円で残しておくと安心です。
売らない・売れない時の税金
個人の場合、仮想通貨を持っているだけなら税金はかかりません。年末に大きな含み益があっても同じです。
『税金が怖くて売れない』という方もいるかもしれません。ただ、売らずに別の通貨へ交換したり、買い物に使ったりすれば、その時点で課税されます。円に換えないことが税金を避ける方法にはならないんです。
- 買って持っているだけ
- 含み益のまま年をまたぐ
- 自分の口座で持ち続ける
- 円に換える(売却)
- 別の仮想通貨と交換する
- 仮想通貨で支払う
値下がりして損が出ている場合は、同じ年の中で売って損を確定させれば、その年の他の仮想通貨の利益と差し引けます。ただし、仮想通貨の損失は給与と相殺できず、現行の制度では翌年への繰越もできません。くわしくは 仮想通貨で損した時の税金 を見てみてください。
また、ステーキングやレンディングで受け取った報酬は、売らなくても受け取った時点で課税されます。ステーキング報酬の税金 と レンディングの税金 もあわせて確認しておきましょう。
売却した後の確定申告
売却益が出た年は、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をします。申告が必要かどうかは、立場によって変わります。
| 立場 | 確定申告が必要になる目安 |
|---|---|
| 会社員(給与1か所・年末調整あり) | 給与以外の所得の合計が20万円を超える |
| 給与のない人(主婦・学生・無職など) | 所得の合計が基礎控除などの所得控除を超える |
| 住民税 | 給与以外の所得があれば、金額にかかわらず申告が必要 |
国内の取引所で売却した場合は、各社から年間取引報告書を受け取れます。国税庁の「暗号資産の計算書」に報告書の数字を入れると、売却益を計算できます。
なお、その年の仮想通貨取引の収入金額が300万円を超えると、帳簿の保存しだいで事業所得などに区分が変わることがあります。この300万円は利益ではなく、売却額などの収入の金額です。
- 取引所から年間取引報告書を受け取る
- 国税庁の計算書で売却益を計算する
- 確定申告書等作成コーナーで雑所得として入力する
- e-Taxで送信するか、印刷して提出する
- 3月15日までに納税する
申告の手順は 仮想通貨の確定申告のやり方 で詳しく解説しています。

売り買いの回数が多い、取引所や銘柄がいくつもある、利益が数百万円以上ある。こうした方は計算の手間も大きく、ミスがそのまま税額の差になります。仮想通貨に詳しい税理士に任せることも考えてみてください。
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よくある質問
ビットコインを売ったら税金はかかりますか?
利益が出た場合に税金の対象になります。買った時より安く売って損が出た場合は、その取引に税金はかかりません。会社員で利益が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。
少しずつ利確すれば税金は安くなりますか?
同じ年の中で分けても、1年分の利益をまとめて計算するので税金は同じです。年をまたいで分けると、総合課税の税率の段が下がって税金が少なくなることがあります。ただし値動きのリスクがあります。
仮想通貨の売却益の税率は何%ですか?
給与などと合わせた所得によって、所得税5%から45%に住民税10%などが加わり、合計で約15%から約55%です。20%の分離課税は法律で決まったものの、適用開始日はまだ確定していません。
原資抜きした分にも税金はかかりますか?
かかります。売った数量の取得価額を差し引いた残りが利益になるので、元手と同じ金額を売っても、値上がりしていればその分は利益です。
デイトレで売買を何百回もした場合はどう計算しますか?
銘柄ごとに1年分をまとめ、総平均法か移動平均法で取得価額を出して計算します。届出をしていなければ総平均法です。国内取引所なら年間取引報告書と国税庁の計算書を使うと計算しやすくなります。
まとめ
- 仮想通貨を売却して出た利益は雑所得で、税率は約15%から約55%
- 売却益は売った額から、売った分の取得価額と手数料を引いて出す
- 同じ年に少しずつ利確しても税金は同じ、年をまたぐと下がることがある
- 原資抜きでも、値上がり分は利益として課税される
- 会社員で利益20万円以下でも住民税の申告は必要




