暗号資産の金融商品取引法改正で税金と取引ルールはどう変わる?

暗号資産の金融商品取引法改正と税金

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『暗号資産が金融商品取引法の対象になるって聞いたけど、税金にも関係あるの?』と気になっている方も多いですよね。法律の名前が難しくて、何が変わるのかピンとこないという声もよく聞きます。

結論から言うと、金融商品取引法(金商法)の改正は取引ルールの見直しですが、税金の分離課税20%が始まる日を決めるスイッチにもなっています。

この記事を読めば、金商法の改正で取引ルールと税金がそれぞれどう変わるのかが分かります。

目次

暗号資産の金融商品取引法改正とは?

この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁や財務省・金融庁の公表資料をもとにまとめています。

今まで、暗号資産(仮想通貨)の取引ルールは資金決済法という法律で決められていました。これを、株や投資信託と同じ金融商品取引法に移すのが今回の改正です。

先に結論
  • 2026年4月10日に国会に提出され、7月15日に成立した
  • 暗号資産を、有価証券とは別の「金融商品」として扱う
  • 仮想通貨の規制部分の施行は、公布から1年以内に政令で決める日
  • この施行日の翌年1月1日から、税金の分離課税20%が始まる

金融庁の法案の概要では、国内外の投資家が暗号資産を投資の対象として見ている状況を踏まえ、利用する人の保護を充実させるためと説明されています。

『株と同じになるってこと?』と思った方もいますよね。ただ、有価証券(株など)とは別の金融商品という位置付けです。暗号資産の性質に合わせたルールが当てはめられます。

取引ルールはどう変わる?

金融庁が公表している法律案の要綱から、利用する人に関わりそうな点を表にまとめました。

変わる点中身
情報の公表発行者が特定される暗号資産の発行者や、取り扱う業者に情報の公表を義務付ける
インサイダー取引規制発行者や業者の関係者などが、公表前の重要な事実を知って売買することを禁止する
相場操縦などへの課徴金風説の流布・偽計・相場操縦・インサイダー取引などに課徴金の規定を整える
宣伝のルール発行者や業者から対価をもらって取引の意見を発信する時は、対価を受けていることの表示を義務付ける
業者の備え事故が起きた時の補償の元手として、責任準備金の積立てを業者に義務付ける
無登録業者無登録業者による一定の売買契約は、原則として無効にする

実は、身近なところでは「宣伝のルール」も変わります。お金をもらってSNSなどで銘柄をすすめる時は、そのことを表示しなければならなくなるんです。

「インフルエンサーがすすめている銘柄って、宣伝なのか分からないよね」
「改正後は、対価を受けて意見を出す時はその旨の表示が義務になるよ」

業者の側にも、財務の健全性を保つための自己資本規制比率の算出や、業務管理体制の整備が求められます。どれも、業者に暗号資産を預けている人を守るためのルールなんです。

無登録業者への罰則の引上げなど一部は、すでに2026年8月12日に施行されています。

海外の無登録業者に注意

金融庁に登録している暗号資産交換業者は、2026年9月1日現在で27業者です。無登録業者との取引はトラブルの元になるので、登録の有無を金融庁の一覧で確かめてみてください。

金商法の改正で税金はどう変わる?

ここからが税金の話です。令和8年度の税制改正で、暗号資産の利益に20%の申告分離課税を入れることが法律で決まりました。

その始まる日が、「金商法などの改正法が施行された日の属する年の翌年1月1日」と定められているんです。だから、金商法の施行日が決まらないと、税金がいつ変わるかも決まりません。

項目状況
20%の申告分離課税(所得税15%・住民税5%)確定(まだ適用前)
損失の翌年以後3年間の繰越控除確定(まだ適用前)
金商法などの改正法の成立確定(2026年7月15日)
仮想通貨の規制部分の施行日未確定(政令はまだ出ていない)
分離課税の開始2028年1月からが有力という見込み

2026年分の利益は、今までどおり原則雑所得・総合課税です。最大で約55%になる今のルールで申告します。今の税金の全体像は仮想通貨の税金とはで確認できます。

金商法の改正と分離課税20%の開始時期の関係を示した図解

「特定暗号資産」という言葉に注意

税制の分離課税の対象は「特定暗号資産」と呼ばれます。国税庁の資料では、金融商品取引業者登録簿に登録されている一定の暗号資産などとされています。

ややこしいのですが、金商法の改正案の要綱にも「特定暗号資産」という言葉が出てきます。こちらは、特定の者だけが発行する権限を持つ暗号資産などを指していて、書き方が違います。

ニュースで同じ言葉を見かけたら、税金の話なのか取引ルールの話なのかを確かめてみてください。分離課税の対象になる取引・ならない取引は仮想通貨の分離課税20%はいつからでくわしく紹介しています。

金融庁が税率を決めているの?

『金融庁が仮想通貨の税率を20%にしたの?』と思う方もいますよね。実は、税率を決めているのは国会で成立した税法です。

金融庁は、取引ルール(金商法)を担当しています。税制改正の大綱のうち金融庁に関係する項目は、金融庁の資料でも説明されています。

役割のちがい
  • 税率や課税の仕組み:所得税法などの税法で決まる(大綱は財務省が公表)
  • 申告や納税の手続き:国税庁が案内する
  • 取引ルール・業者の登録:金融庁が担当する

税金の申告そのものは、今までと同じく自分で計算して確定申告をします。手順は仮想通貨の確定申告のやり方で順番に紹介しています。

改正の前後で迷ったら

分離課税の開始は見込みの段階です。海外取引所や複数の取引所を使っていて、どの取引が対象になるか自分で判断しにくい方は、税理士に相談してみるのも一つの方法です。

依頼の流れは仮想通貨に強い税理士に頼むべき人でまとめています。

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よくある質問

金商法の改正で、仮想通貨の税金はすぐに変わりますか?

すぐには変わりません。分離課税20%は、金商法などの改正法が施行された年の翌年1月1日から始まります。2026年分は今までどおり総合課税です。

金商法の改正はいつ施行されますか?

仮想通貨の規制部分は、公布から1年以内に政令で決める日に施行されます。2026年10月時点で政令は出ていません。一部の罰則の引上げなどは2026年8月12日に施行されています。

金融庁が仮想通貨の税率を決めているのですか?

税率は国会で成立した税法で決まります。金融庁は取引ルールや業者の登録を担当していて、税制改正のうち金融庁に関係する項目を資料で説明しています。

インサイダー取引規制は個人にも関係しますか?

発行者や業者の関係者などが、公表前の重要な事実を知って売買することが禁止されます。そうした事実を知る立場の方は注意が必要です。

まとめ

この記事の要点
  • 暗号資産の取引ルールを資金決済法から金融商品取引法に移す改正法が2026年7月に成立した
  • 情報の公表、インサイダー取引規制、対価を受けた宣伝の表示義務などが整えられる
  • 税金の分離課税20%は、この改正法が施行された年の翌年1月1日から始まる
  • 施行日の政令はまだ出ておらず、2028年1月からが有力という見込み
  • 2026年分の利益は今までどおり総合課税で申告する
仮想通貨の税金ナビ

仮想通貨の税金ナビ 編集部

仮想通貨(暗号資産)の税金・確定申告・相続について、国税庁などの公表資料をもとに分かりやすく整理している情報サイトです。 公式サイト

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