仮想通貨の相続でパスワードが分からない時の対処と相続税

仮想通貨の相続でパスワードが分からない時の対処

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亡くなった家族が仮想通貨を持っていたらしい。でも、スマホのロックもパスワードも分からない。『取り出せないなら、相続税もかからないよね?』と考える方もいるはずです。

結論から言うと、パスワードを知らなくても、仮想通貨は相続税の対象になるという国会答弁があります。取引所の口座なら取引所の相続手続きで進められることもあるので、まずは手がかりを集めてみましょう。

この記事を読めば、パスワードが分からない時の税金の考え方と、相続人がやっておきたいことが分かります。

目次

パスワードが分からなくても相続税の対象になる

この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁の公表資料などをもとにまとめています。

仮想通貨(暗号資産)は、相続や遺贈で取得すると相続税の課税対象です。では、パスワードや秘密鍵(ウォレットを動かすための鍵)が分からない時はどうなるのか。

この点は、2018年3月23日の参議院財政金融委員会で質問されています。国税庁次長の答弁は次のような内容でした。

国会答弁で示された解釈(2018年3月)
  • 相続人が亡くなった人のパスワードを知らなくても、相続人は仮想通貨を承継する
  • そのため、その仮想通貨は相続税の課税対象になる
  • パスワードを知っているかどうかは本人にしか分からず、真偽の判定は難しい
  • 知らないと主張しても課税の対象から外すのは、課税の公平の観点から適当ではない

これは国税庁FAQや通達の文言ではなく、国会答弁で示された解釈です。それでも、税務署の考え方を知るうえで大事な手がかりですよね。

『取り出せないのに税金だけかかるなんて』と思うのも自然です。ただ、把握できている仮想通貨を申告から外してしまうと、後で申告漏れを指摘されるおそれがあります。

故人の仮想通貨を探す手がかり

パスワードの前に、まず「どこに・どれくらい」持っていたかを調べるのが先です。実は、パスワードが分からなくても見つかる手がかりは意外とあります。

確認しておきたい場所
  • スマホやパソコンにある取引所・ウォレットのアプリ
  • メールの受信箱(取引所からのログイン通知、取引のお知らせ、年間取引報告書の案内など)
  • 銀行口座の入出金履歴(取引所への入金や、取引所からの出金)
  • 過去の確定申告書の控え(雑所得の欄に取引所の名前が書かれていることがある)
  • 手帳や紙のメモ、金庫の中の記録

国内の取引所は、国税庁の依頼にもとづいて年間取引報告書を交付しています。メールや郵便で届いた形跡があれば、どの取引所を使っていたかが分かります。

例えばこんな場面です。

「通帳に知らない会社への振込が何回もあるんだけど」
「その会社名を調べたら、仮想通貨の取引所だったよ」

こうして取引所の名前が分かれば、次の手続きに進めます。

手がかりが見つかったら、日付や画面を写真やメモで残しておきましょう。相続税の申告で財産の内容を説明する時や、税理士に相談する時の資料になります。

取引所の口座とウォレットで対応が変わる

仮想通貨の置き場所は、大きく分けて2つあります。どちらかで、相続人ができることが変わってきます。

置き場所パスワードが分からない時評価に使う資料
国内の取引所の口座取引所に連絡し、各社所定の相続手続きで進める取引所が発行する残高証明書など
自分で管理するウォレット秘密鍵や復元用の言葉が見つからないと、取り出せないことがある取引履歴や相場をもとに自分で確認

取引所の口座なら、相続人がパスワードを知らなくても、取引所の手続きで相続できる場合があります。必要な書類や流れは取引所ごとに違うので、会員ページや問い合わせ窓口で確認してみてください。

当サイトはどの取引所の公式サイトでもないので、各社の手続きの細かい内容はここでは書いていません。全体の流れは仮想通貨の相続手続きで紹介しています。

自分で管理するウォレットは、秘密鍵や復元用の言葉が見つからない限り、中身を動かせないことがあります。それでも国会答弁の解釈では相続税の対象になりうるので、どう評価するかは税務署か税理士に相談しておきましょう。

パスワードが分からない時の仮想通貨の相続の進め方を示した図解

取り出せない時に気をつけたいこと

パスワード探しに時間がかかっても、相続の期限は待ってくれません。次の期限は押さえておきましょう。

押さえておきたい期限
  1. 相続放棄:自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(家庭裁判所に期間を延ばす申立てもできる)
  2. 準確定申告:亡くなった年に仮想通貨の利益があれば、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内
  3. 相続税の申告・納付:亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内

取り出せない仮想通貨があり、借金のほうが多そうな時は、相続放棄も選択肢になります。考え方は含み損・値下がりした仮想通貨の相続と相続放棄をご覧ください。

秘密の情報は人に渡さない

「パスワードを解析して取り出せる」と声をかけてくる相手に、端末や見つかったメモをそのまま渡すのは慎重に考えてみてください。秘密鍵や復元用の言葉が知られると、中身を動かされてしまうおそれがあります。

相続税の評価額がいくらになるか、取り出せない分をどう扱うかは、ご家族だけで判断しにくいところです。仮想通貨の金額が大きい方や、自分で管理するウォレットが絡む方は、相続税にくわしい税理士に任せることも考えてみてください。

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よくある質問

故人の仮想通貨のパスワードが分からない場合、相続税はかかりますか?

2018年の国会答弁で、相続人がパスワードを知らなくても仮想通貨を承継するので相続税の課税対象になる、という解釈が示されています。

パスワードが分からない仮想通貨はいくらで評価しますか?

活発な市場がある仮想通貨は、亡くなった日の取引所の取引価格で評価します。取引所の口座なら残高証明書の価格も使えます。

取引所の口座のパスワードが分からなくても相続できますか?

取引所の相続手続きで進められる場合があります。必要な書類や流れは取引所ごとに違うので、各社の窓口で確認してください。

どの取引所を使っていたか分からない時は?

メールの通知、銀行口座の入出金履歴、過去の確定申告書の控えなどから、取引所の名前が分かることがあります。

まとめ

この記事の要点
  • パスワードを知らなくても相続税の対象になるという国会答弁がある
  • まずはアプリ・メール・入出金履歴・申告書の控えから手がかりを探す
  • 取引所の口座は取引所の相続手続きで進められる場合がある
  • 自分で管理するウォレットは秘密鍵などが無いと取り出せないことがある
  • 相続放棄は3か月、準確定申告は4か月、相続税は10か月以内

相続税の評価のくわしい考え方は仮想通貨の相続税評価、相続の全体像は仮想通貨の相続で確認できます。仮想通貨の税金の基本は仮想通貨の税金とはをご覧ください。

仮想通貨の税金ナビ

仮想通貨の税金ナビ 編集部

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