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昔買った仮想通貨を売ったものの、いくらで買ったのか思い出せない。取引所の履歴も残っていない。そんな状態で確定申告を前に手が止まっている方も多いはずです。
結論から言うと、まずは年間取引報告書の再交付や銀行の入出金で、購入金額をできるだけ調べます。それでも分からない時は、売却額の5%を取得価額にする方法も国税庁が認めています。
この記事を読めば、取得価格が分からない時に何から手を付ければいいかが分かります。
仮想通貨の取得価格が分からないとどうなる?
この記事は、2026年10月時点の法令・国税庁の公表資料をもとにまとめています。
仮想通貨の利益は、売った金額から、その分の取得価額を引いて計算します。取得価額とは、買った時の代金に購入手数料などを足した金額のことです。
この取得価額が分からないと、利益が計算できませんよね。
取得価格が不明でも、0円で計算するしかないわけではありません。調べる手順を踏み、それでも分からなければ「売却額の5%」を取得価額にできます。
『分からないなら、全部利益として申告するしかない?』と心配になりますよね。
実は、そこまで不利な扱いを受け入れる必要はありません。次の順番で確かめてみてください。
- 取引所に年間取引報告書の交付・再交付を頼む
- 取引所の会員ページで取引履歴を探す
- 銀行口座の入出金の記録から、取引所への入金を探す
- 取引日が分かれば、取引所が公表している当時の相場で確かめる
- それでも分からない時は、売却額の5%を取得価額にする

年間取引報告書を取り寄せる
国税庁は、国内の取引所に「年間取引報告書」を交付するよう依頼しています。対象は2018年(平成30年)1月1日以後の取引です。
手元に見当たらない時は、取引所に交付や再交付を頼んでみてください。各社の会員ページで確認できることもあります。
| 状況 | 手がかりになるもの |
|---|---|
| 国内取引所で2018年以後に取引 | 年間取引報告書(再交付を依頼できる) |
| 国内取引所で2017年以前に取引 | 報告書が交付されない場合あり。取引履歴や銀行の記録 |
| 海外取引所で取引 | 報告書はない。取引履歴や入出金の記録 |
| 個人間で受け渡し | 報告書はない。主に使う取引所の当時の相場 |
| 分裂(ハードフォーク)で取得 | 取得価額は0円 |
年間取引報告書には、年中の購入数量と購入金額が載っています。これがあれば、国税庁の計算書に入力して取得価額を出せます。
取引履歴がない時は入出金と相場で調べる
取引所の履歴が残っていない、取引所がもう使えないといった場合もありますよね。
国税庁のFAQでは、銀行口座への入出金の記録や、取引の履歴、取引所が公表している相場などから確かめる方法が示されています。
例えばこんな場面です。
「2017年に買ったビットコイン、取引所の履歴が出てこない」
「銀行の通帳に、取引所への振込の記録が残っていないか見てみたら?」
取引所への振込の日付と金額が分かれば、その時期の相場と照らして、買った数量と価額の見当がつきます。
- 銀行の通帳や、ネットバンキングの入出金明細
- 取引所から届いたメール(約定や入金の通知)
- 当時のメモや、スクリーンショット
- 海外取引所なら、ログインして出せる取引履歴のファイル
個人間で受け取った場合は、主に使っている取引所の相場を使って価額を確かめます。複数の取引所をまたいでいる場合の考え方は、仮想通貨の税金の計算方法も参考にしてみてください。
どうしても分からない時は売却額の5%
調べても購入金額が分からない時は、売った仮想通貨の取得価額を「売却額の5%」とすることが認められています。国税庁のFAQにある例では、500万円で売った場合の取得価額は25万円です。
前提として、ほかの経費は考えず、税金の計算前の利益だけを比べる目安で見てみましょう。
| 取得価額の出し方 | 売却額 | 取得価額 | 利益の目安 |
|---|---|---|---|
| 売却額の5%を使う | 500万円 | 25万円 | 475万円 |
| 実際の購入金額が300万円と分かった | 500万円 | 300万円 | 200万円 |
5%を使うと、実際の購入金額より取得価額が小さくなりやすく、利益が大きく出ることがあります。まずは記録を探して、本当の金額に近づけてみてください。
『5%で申告したあとに、本当の購入金額が分かったら?』と気になる方もいますよね。
税金を多く払いすぎていたことになるので、更正の請求で直せます。期限は原則として法定申告期限から5年以内です。手続きは申告を間違えた時の直し方で説明しています。
利益が大きくなると、所得税の税率も上がります。利益の額ごとの税金は仮想通貨の利益別の税金早見表で確認できます。
相続した仮想通貨の取得価格は?
『親から相続した仮想通貨、いくらで買ったか分からない』という方もいますよね。
相続で受け取った仮想通貨の取得価額は、亡くなった人が使っていた評価方法での、亡くなった時点の評価額を引き継ぎます。相続税を計算する時の評価額とは別のものなので、混同しないように気を付けましょう。
個人から贈与で受け取った仮想通貨は、贈与された時の時価が取得価額になります。
相続の手続き全体は、仮想通貨の相続で説明しています。
何年分もの履歴をさかのぼって調べる必要がある方や、海外取引所の記録が欠けていて判断に迷う方は、税理士に相談すると、どこまで調べれば十分かの見通しが立ちやすくなります。
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取引が多い、計算が合っているか不安という時は、税理士に任せるのが確実です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から条件に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
仮想通貨の購入価格が分からない時は0円で計算するのですか?
0円で計算するしかないわけではありません。記録を調べても分からない時は、売却額の5%を取得価額とすることが認められています。
取引所の取引履歴がない時はどうすればいいですか?
国内取引所なら年間取引報告書の再交付を頼んでみてください。銀行の入出金の記録や当時の相場からも確かめられます。
2017年以前の取引も年間取引報告書で分かりますか?
年間取引報告書は2018年1月1日以後の取引が対象で、それ以前は交付されない場合があります。取引履歴や銀行の記録で調べてみてください。
相続した仮想通貨の取得価額はどう決まりますか?
亡くなった人が使っていた評価方法での、亡くなった時点の評価額を引き継ぎます。
まとめ
- 取得価格不明でも、まずは年間取引報告書の再交付と入出金の記録で調べる
- 海外取引所や個人間取引は、履歴や当時の相場で自分で確かめる
- どうしても分からない時は、売却額の5%を取得価額にできる
- 5%を使うと利益が大きく出やすいので最後の手段にする
- 相続した仮想通貨は、亡くなった人の評価額を引き継ぐ
税金の仕組みから知りたい方は仮想通貨の税金の全体像、税率の段階は仮想通貨の税率と早見表を見てみてください。




